個人事業主の青色申告の複式簿記の手間を半分以下にする方法とは?

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青色申告の複式簿記って難しく思っていませんか?10年以上の青色申告の経歴を持つ私も最近までそう思っていました。でも、今年から超シンプルな仕訳方法を採用して、記帳の労力が3分の1になってとても楽になりました。税理士さんの指導を受けて始めた青色申告の仕訳方法を鵜呑みにしたのがアホでした。以下にその方法を説明しましょう。現金主義ではなく、しっかり青色申告65万控除の特典が与えられる発生主義(正規の帳簿)ですよ。

個人事業主が記帳を楽にする方法

記事タイトルは「個人事業主の青色申告の複式簿記の手間を半分以下にする方法」とあり、いかにもクラウド会計ソフトを宣伝しているように聞こえるかも。確かに最後にしっかり宣伝していますが、主な内容は事業の実態を複式簿記にしっかり反映するという極めて実際的なアドバイスで経理の手間を半分以下にする方法を取り上げています。すでに実行している方に悪しからず。

ただでも忙しのに経理の手間を増やすな

この記事を読んでいる方は、おそらく青色申告初心者の個人事業主か、または私のように毎月の青色申告の帳簿付け簡単に終わらせたい方でしょう。

挙げれば切りがありませんが、事業の業種で言えば以下のような方かも。

フリーライター、八百屋さん、お店の経営者、翻訳家およびフリーライター 、ブログやウェブサイトの広告収入がある人(ブロガー、アフィリエイター=製造業)、etc。

中でも、意外とご存知でない方が多いですが、経費があまりかからない職種で65万を経費として落とせる「家内労働者等の必要経費の特例」を活用できる事業(集金人、検針員、家庭教師、掃除人、保険外交員、歩合制の内職、派遣ヘルパー、お手伝いさん 等)従事者でしょう。

簡単に言って、国民健康保険加入者といってもいいかも。

面倒な帳簿付けが要求される青色申告を申請してまで、節税や赤字対策を考慮していらしゃる方だと思います。

青色申告特別控除 65万 の特典を受けるためには面倒な複式簿記(「正規の簿記の原則」)が求められ、青色申告初心者は、青色申告会のセミナーや初年度無料で税理士の相談を受けられる地方自治体の制度を活用して指導を受けられたと思います。

私もそうでした。10年以上も前です。

思い出せば、一番難しかったのは、貸借の考え方を元にした複式簿記です。しかも現金主義ではなく発生主義でなければ、65万の控除に該当しないので、ずいぶん入力の手間がかかっていました。

一番面倒だったのは、その発生主義に基づきクレジットカードの利用を以下の2つの取引で記帳しなければならなかった点です。

例えば、ネットショップで4月2日に1,500円のコピー用紙をクレジットカードで購入。銀行から実際に引き落とされるのは6月17日とすると、伝票は以下のようになります。

日  付 借  方 貸  方
4月 2日 消耗品費 1,500 円 未払金 1,500 円
6月17日 未払金 1,500 円 普通預金 1,500 円

クレジットカードは基本に負債なので未払金として処理し、現金引き落し完済となります。発生主義なので仕方ない。

八百屋さんや魚屋さん、飲食店などの事業主は「未払金」だけでなく、いわゆるお得意さんの「ツケ」つまり「売掛金」なども発生します。めんどう極まりないですね。

この記事では、お金の出入りが激しいいわゆる”商売”を想定しておらず、個人用の現金やクレジットカードで経費を支払い、売上は個人用の預金通帳への振り込みなど、シンプルな取引が多い事業主を想定しております。

また、税理士や青色申告会の”先生”たちの指導をうのみにして銀行口座を事業用として登録してしまうと、そこからクレジットカードで個人の買い物(5月2日に米 10kgを 3,500円で購入。)したら、残高を合わせるためにどうしても以下の通りに記帳しなければなりません。

日  付 借  方 貸  方
5月 2日 事業主貸 3,500 円 普通預金 3,500 円

※ ここで不思議なことが・・・。「借方」なのに「事業主貸」(個人の生活費)をとする理由が分からんですよね。「借方」「貸 方」に意味はないと思ってください。

以上2つの面倒な記帳の事例を取り上げましたが、この記帳を半分にしたり、できれば記帳する必要がないようにできたらどうですか?

それは、預金口座を事業用として登録しないことです。取引はすべて、個人の預金口座や個人の現金(ポケットマネー)から出し入れすることです。

つまり事業主勘定(事業主借/事業主貸)いう個人事業主が利用できる勘定科目をフル活用することです。

もしそうするなら、2回記帳しなければならなかったクレジットカードの取引は、以下のように1回で済みます

日  付 借  方 貸  方
4月 2日 消耗品費 1,500 円 事業主借 1,500 円

ここで、4月2日はクレジットカードの利用日です。これは現金主義ではりません。複式簿記の基本である発生主義です。個人用のデビットカードでも電子マネー(ナナコ、スイカ、AU WALLET、おさいふ Ponta)でも全く同じ。

では、個人の買い物をクレジットカードでしたら記帳する必要があるでしょうか?それは、個人の預金口座から引き落とされるので、記帳する必要ありません

以上のように2回の記帳が1回になったり、そもそも記帳する必要がないのは、ただでも忙しい個人事業主が少しでも楽できるのでうれしくありませんか?

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税務署の指導をうのみにしない

でも、あなたは言うかもしれません。

「青色申告会や税理士の先生、または税務署の職員からは、事業用の通帳を使って発生主義で記帳してください!と言われました。そして現金出納帳や預金出納帳を準備してください。」

私も言われました。それで10年間、生活口座としての預金口座をわざわざ事業用に、個人の財布を事業用の現金として登録し、記帳の手間を2~3以上にしてきたのです。

それじゃなぜ「できるだけ事業用の通帳を準備してください!」と言われるのでしょうか?

それは青色申告特別控除 65万円 の要件である「発生主義による複式簿記」を満たしていないからでしょうか?いいえ、個人用の通帳または個人用の現金(ポケットマネー)から事業用の経費を引き出しても、発生主義による複式簿記の要件は満たせることは上記で記した通りです。

それではなぜ「事業用の通帳や現金」を利用することが指導されるのでしょか?それは、税理士が相談を受けたとき、お金の流れが把握しやすいからです。つまり指導しやすいためです。

でもすべて個人の通帳や現金から事業用の取引をしたとしても発生主義で事業主勘定(事業主借/事業主貸)として記帳すれば、不正なことをしているわけでもなく、実態に即していないことでもありません。

実際デスクワーク中心のフリーランスや家庭教師、集金人、検針員、家政婦、歩合制のヘルパーさんは、八百屋さんのようにお店のレジ(事業用の現金)などなく、すべてポケットマネーからお金が出入りしてますよね。事業主勘定をフルにに利用するほうが経営の実態に即しているです。

以上のように、記帳を簡単にするために、通帳を個人用として登録することは、クレジットカードによる取引を1回の記帳で済ませることができますが、その個人の通帳に事業の売上が入金されたらどのように記帳されるのでしょうか?

たとえば、7月6日に、保険外交の手数料 18万円が保険会社から入金されたなら、記帳は以下のようになります。

日  付 借  方 貸  方
7月 6日 事業主貸 18,000 円 売上 18,000 円

つまり事業の売上金をすぐに生活費(個人用)に充てたと同じです。こちらのほうが実態に即していますよね。

※ 源泉徴収は年末調整による記帳で一括処理でOK。

さらに税務署や税理士の指導で「現金出納帳や預金出納帳、売掛台帳を準備してください。」と言われるかもしれません。たしかに、今のように青色申告ソフトがなかった時代には、必要だったかもしれません。

しかし、今や青色申告ソフトが普及した時代において、不要です。取引が沢山あっても伝票だけで十分。すぐにパソコンを起動して青色申告ソフトの「仕訳日記帳」(ソフトの種類で呼び方が違う)で上記のように入力すればいいのです。

国税庁が定める青色申告の要件

税務署や税理士の指導を鵜呑みするのではなく、国税庁が青色申告に関連して実際に指導している規定を重視しましょう。

ではここで、国税庁が青色申告の65万特別控除の要件としている「正規の帳簿」(複式簿記)の定義をおさらいします。

青色申告者は、「資産、負債及び資本に影響を及ぼす一切の取引を正規の簿記の原則に従い、整然と、かつ、明瞭に記録し、その記録に基づき、貸借対照表及び損益計算書を作成しなければならない。」と記帳方法が規定されています。「正規の簿記」とは、損益計算書と貸借対照表が導き出せる組織的な簿記の方式をいい、一般的には複式簿記をいいます。 帳簿の記帳の仕方ー事業所得者用ー

要件はきちんと複式簿記による貸借対照表及び損益計算書を作ればいいわけです。

そのための帳簿つまり会計ソフトの入力方法としては何を選択すればいいのでしょうか?

「正規の簿記の原則」に切り替える場合には、具体的にどのような帳簿組織や記帳等が必要になるかを検討して、ご自分の事業実態にあった帳簿組織を選択するとともに、必要な勘定項目を決めることが大切です。

ここで注目は自分で選択したり決めることになっている「事業実態にあった帳簿組織」と必要な「勘定項目」です。

たとえばヘルパーさんが青色申告する場合、「事業実態」とは何でしょうか?すでに述べたようにガソリン代などの経費と、預金口座への手数料(給料)の振り込みだけです。すべて個人用の財布や預金口座でやっていますよね。

家庭教師、検針員、ブロガー、フリーライター、歩合制の内職なども同じ。すべてポケットマネー(生活資金)からの出し入れです。これが実態です。お店を構えていないかがり事業用のレジや金庫など用意している人はいませんから。

では、その場合の「事業実態にあった帳簿組織」とはなんでしょうか?

経費帳や売上帳だけです。経費も売上(給料、手数料)もそれで充分です。つまり家計簿の感覚です。事業用として現金や預金通帳などを使って複雑にしたい場合のみ現金出納帳や預金出納帳が必要になります

※ 経費帳や売上帳は会計ソフトの入力方法に該当します。でも日々の経理は上記の仕訳の仕方で入力できる仕訳帳日記帳だけで十分です。

仕訳帳や総勘定元帳も保存が要求されていますが、こんなのは青色申告ソフトがあれば、簡単に作成/印刷できます。難しく考える必要は一切ありません。

最後の注目ポイントである実態に即した「必要な勘定項目(科目)」とは何でしょうか?それはポケットマネーからの出し入れですから、事業主貸や事業主借つまり事業主勘定が一番実態に即した勘定科目です。

では結論を最後に述べましょう。

青色申告者で、経理を煩雑にしたくない方は、本当の意味で事業の実態(すべて個人用の現金と通帳からの出し入れ)に合わせて、事業用の預金通帳を作る必要はない。仕訳はすべて実態に即して事業主勘定にする。

もしこれから青色申告をしようと考えているなら、間違っても事業の預金口座を作ったり、生活口座なのに事業用として登録する必要はないということです。

既に幾年も事業の預金口座を利用して来た方は、年度末に全残高を「事業主借」にして清算しておきましょう。

そして、クレジットカードやデビットカード、または銀行通帳の自動引落で経費を払っている方は、入力の手間をほぼ自動化するために、クラウド会計ソフトを利用することです。おすすめは「やよいの青色申告 オンライン」です。この業界で一番人気、私も今年から利用しています。

始め方は、乗り換えで「やよいの青色申告オンライン」を始める方法とは?クレジットカードの仕訳は一番楽な設定を  で解説しています。

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