税制改革によって青色申告の特別控除額が65万円から55万円に変更されます。令和2年度分の確定申告(令和3年3月15日までの提出分)からです。でもご安心ください。これまで通り65万円にする2つの方法があります。私はすでにその一つの方法である ❶ 「e-Taxによる電子申告」の手続きを完了し、令和1年度分から開始します。また ❷ 「電子帳簿保存の承認」を受けておくことでも65万円の控除が受けられます。今回の 青色申告特別控除額の変更とそれを回避、つまり控除額を65万円にする方法をまとめておきます。
青色申告には多くのメリットがあります。私が一番と考えるメリットは一つは16万円以上の節税(※)となる青色申告特別控除です。
※ 16万円の節税の計算は次の通り。課税所得195万円以下とすると ① 所得税 5%、② 市県民税率 10%、③ 国民健康保険税率 10%(市町村で違う)、合計 25%。青色申告控除額 65万円×25%≒16万円。
16万円は大きいですよね。それを年額 8,000円~1万円 の青色申告ソフトで自動帳簿で実現できるなんて、コスパ良過ぎです。特におすすめは私も利用している やよいの青色申告 オンラインは e-Taxによる申告に対応しており、去年は簡単にはe-Taxによる確定申告が完了しちゃいました。
そんな青色申告ですが、令和2年度分の申告(提出期限 令和3年3月15日)から、青色申告所得控除の額は要件の違いで以下の3つの区分のいずれかになります。
対象年度 | 令和元年 | 令和2年~ |
申告提出期間 | 令和2/3/1~15 | 令和3/3/1~15 |
簡易帳簿 | 10万円 | 10万円 |
複式簿記 | 65万円 | 55万円 |
❶ e-Tax申告 または ❷ 電子帳簿保存 | 65万円 | 65万円 |
参考: 基礎控除額 | 38万円 | 48万円 ※ 所得が24,000万円 以下の場合 |
確かに今回の税制改革では、令和2年度分から基礎控除額が 38万円から48万円への引き上げ、つまり青色申告控除額の引き下げ額と同額で、そのままでもトータル的には±0。でもできるなら青色申告控除額は65万円のままで、控除額をプラス10万円にしていおきたいですよね。
● 令和2年度からの所得税控除額の最高額をまとめると
:65万+48万円(⬅ 38万)=113万円 ( ⬅ 103万 )
というわけです。103万円が113万に引き上げです。歓迎すべきですね。
繰り返しますが、そのためには、65万円控除の要件として加えられた
- e-Tax申告、または
- 電子帳簿保存の承認
のいずれかの手続きをしておけばOKなわけですね。
中でも e-Tax申告 は環境さえそろえば、税務署にいかずとも自宅で手続きが完了しちゃいいます。
しかし、e-Tax と聞けば「めんどうんだな~、カードリーダーの購入が必要だったよね」と思ってませんか?
でも今は違います。電子証明書の読取り可能なスマホ(iPhone 7以降 /Android)をカードリーダーとして利用し、マイナンバーカードを読み取らせるだけで、取得できます。税務署に出向かずに、自宅で申請できますよ。
私はすでに、e-Tax申告の手続きを完了させています。最初は「面倒だな」と思っていましたが、意外と簡単でしたよ。
■ e-Tax申告 の手続き
e-Tax利用の簡便化の概要について|e-Tax で述べれれているとおり、e-Tax申告 の方法は現在以下の2つの方法があります。
- マイナンバーカード方式(カードがあれば自宅で手続き可能。)
- ID・パスワード方式(開始には税務署での対面手続きが必要。)
ID・パスワード方式は暫定的な方式で、将来的にはマイナンバーカード方式だけが残るようになっています。
ですから、最初からマイナンバーカードで申請することをおすすめします。
マイナンバーカード方式 によるe-Taxに必要な環境は以下の3つだけです。
- Windowsパソコン + ブラウザMicrosoft edge
- マイナンバーカード
- 読み取り可能なスマホ( 電子証明書の読取り可能なスマートフォン)
e-Taxを開始するための具体的な手順は、 【e-Tax】国税電子申告・納税システム(イータックス) に記載されています。でもとてもわかりにくく、どこから入ったらよいか分かりにくいです。
最初の「利用環境からの確認」から順を追って手続きをすれば、自宅でe-Tax開始の手続きが完了します。
、あらかじめ Microsoft Edge からアクセスしましょう。
以上の手続きで、青色申告特別控除を令和2年分の申告からも最大額65万円を維持できます。
コメント
いつも拝見しております。
この青色申告特別控除を65万円にする為には電子申告が必要だとの事ですが、
そうなると家内労働者特別控除の手続きに必要な手書きでの記入が出来ないという事ですよね?
今、2019年度の申告をe-taxで入力しておりますが、家内労働者特別控除に関する入力欄等が見当たらず、どうすればいいのか行き詰まっております。
momo 様へ
ブログを参考にしていただきありがとうございます。
>2019年度の申告をe-taxで入力しておりますが、家内労働者特別控除に関する入力欄等・・・どうすればいいのか
ご質問の件をお調べしたところ、
https://www.e-tax.nta.go.jp/e-taxsoft/chuijiko/shotoku.htm
に記載されていました。
どうぞ参考にしてください。
お忙しい中でご回答いただき感謝いたします。
実はこのページ、私も見たのですが
青色申告決算書の作成ページを進めていっても、この所得を自分で入力する事が出来ないんです(^-^;
なので、特も入力出来ず。。
どれだけ探しても方法が見つからないのです。2020年からの改正もあって、今期からe-taxで済ませたいと
やり始めたのはいいのですが、家内労働者は手続き的に不可能なのかもと半ば諦め掛けての投稿でした。
やはり税務署に確認するしかないのかも知れません。
お忙しい中でのご返信に感謝いたします。
実はこのページは私も確認していまして、e-taxを進めていたのですが
記述の「青色申告決済書」の所得の欄は自分では入力出来ない形になっており、どうにも出来ず。。
2020年からの改正もあり、e-taxで申告してみようと今期から始めてみたのですが、やはり郵送でしか無理なのかもしれないと半ば諦め掛けての投稿でございました。やはり税務署に聞いてみるしかないかもですね。
momo 様へ
お力になれずに申し訳ございません。
もし税務署からの回答や、e-Taxでの「家内労働等の特例」の入力方法が分かれば、コメントお願いできたら助かります。