会社にするほど売上が多くないのに訳あって合同会社を設立ました。もちろん一人社長です。1番悩むのは1年に一度しか決められない社長の給与の計算つまり役員報酬の設定です。加えて自分で会計ソフトに記帳するので、社会保険料や所得税を計算しなければなりません。でも実際にやってみると、自動で計算できるサービスもありましたので、簡単でした。この記事では以上のことを解説し、おすすめの会計ソフトを紹介します。
一人社長の給料の計算
ブログで生計を立てるのは、優しくありません。めっちゃ大変で、不安との戦いでもあります。
社長(役員)の給料を決めることが難しい理由は以下の通りです。
- 基本的に1年に一度(事業年度開始日から3ヶ月以内)しか変更できない:売上に応じて上げたり下げたりできないのです。とは言え、著しく経営が悪化した場合のみ年度内の減額が可能とか。
- 会社の売上を見通せない:ブログ運営は特にそうです。アフィリエイトやAdSenseが中心ですが、イマイチ安定しません。安定するように、ブログは雑記ブログにしてPV6万/日をキープすればAdSenseで安定するのですが、いかんせんその数字にはほど遠いです。
一人社長の給与は、少々赤字が出るくらいでもOKみたいです。
赤字決算にするのは節税のためで、違法ではありません。詳細は 赤字決算 節税 – Google 検索 で調べてみてください。しかし、信用は当然落ちますので、銀行や会社との取引など信用信頼が大切な場合には意図的な赤字決算はおすすめできない場合もあります。
以上の理由から我が合同会社において、一人社長の給料は資本金を大きく取り崩差ない程度の給料○十万円にしています。
◼合同会社は役員報酬変更議事録は必要か?
我が会社は株式会社ではなく合同会社です。毎年株主総会などして役員報酬変更の議事録を作成する義務はないそうです。しかしネットには税務調査に入られたときに、報酬を損金扱いにできるように社員同意書(議事録でもOK)を作成したほうがよいそうです。
同意者のサンプルは合同会社 役員報酬変更 同意書 – Google 検索 から選んでください。何でもOK。
フォームに必要事項を入力するだけ、合意書を作成で可能な WEB完結|合同会社の役員報酬を決議する議事録|雛形 なら時短になります。ありがたい。
◼一人社長の会社の法人口座は、なぜ楽天銀行がおすすめなのか?
法人口座は必須ではないそうですが、あったほうが圧倒的に便利です。
では法人口座としてなぜ、楽天銀行がおすすめなのか?
私は以下の理由で楽天銀行を選びました。
- 法人口座維持費が無料:経費削減のため。
- Pay-easy(ペイジー)が利用可能:社会保険料の振込のため。
ネットバンキング可能な法人口座で、口座維持手数料が無料の銀行は住信SBIネット銀行や楽天銀行が有名です。
しかしながらいずれも、社会保険料(正式名称は「健康保険・厚生年金保険の保険料」)の自動引き落としができません。でも楽天銀行はPay-easy(ペイジー)に対応していまので、ネットで簡単に振り込めます。
ネット銀行 | 法人口座 維持手数料 | 社会保険料 口座自動振替 | Pay-easy (ペイジー) | 他銀行宛 振込手数料 | デビッドカード年会費 |
---|---|---|---|---|---|
\おすすめ/ 楽天銀行 | 無料 | ❌ | ⭕ | 3万円未満:150円 3万円以上:229円 | 無料 キャッシュ+JCBデビット |
住信SBIネット銀行 | 無料 | ❌ | ❌ | 145円 | キャッシュ+Mastercardデビッド またはVisaデビッド いずれも無料 |
PayPay銀行 | 無料 | ❌ | ⭕ | 160円 | 無料 キャッシュ+Visaデビッド |
イオン銀行 | 2,200円/月 | ⭕ | ❌ | 5万円未満:220円 5万円以上:440円 | 無料 キャッシュ+JCBデビット |
以上の理由から我が会社の法人口座は楽天銀行にしています。
一人社長の給料から社会保険料、源泉所得税、市県民税を自動計算
さて、一人社長の給料(役員報酬)を決定した後、実際に社長の銀行口座に振り込む金額は、以下の三つを差し引いた金額です。
- 社会保険料(健康保険・厚生年金保険の保険料)
- 源泉所得税
- 住民税
実際には以下の計算表からそれぞれの控除額を計算します。
- 源泉所得税:令和4年分 源泉徴収税額表|国税庁
- 社会保険料:都道府県毎の保険料額表 | 協会けんぽ | 全国健康保険協会
┗ 3月:健康保険料が変更される可能性あり。
┗ 9月:厚生年金保険料が変更される可能性あり。
でも出書きで計算は面倒ですよね。
かといって、給料計算サービス(有料や無料あり)を利用するのは手間です。社員が多ければまだしも一人社長ですから。
そこで私は以下の無料サービスを年に一度使っています。(変更があるかもしれない3月と9月に確認はする。)
入力フォームに以下の必要事項を記載するだけで、各種控除額そして差し引き後の支給額(手取り)が自動計算されます。
- 支払い対象月
- 支払い都道府県
- 年齢
- 一人社長の給料(役員報酬額)
最後にコピーまたはメールしておきます。コピーを押すと以下のテキストがクリップボードにコピーされています。
※たとえば役員報酬(一人社長の給料)を18万円にすると、
給与明細書
支給年月 2022年5月
<支給>
基本給: 180,000
支給額合計 180,000
<控除>
健康保険 9,189
介護保険 1,476
厚生年金 16,470
雇用保険 540
(社会保険計) 27,675(2倍した額を社会保険料として納付)
(課税対象額) 152,325
源泉所得税 3,050
控除額合計 30,725
差引支給額 149,275(社長の個人口座に支払い)
となります。
なお 3月は健康保険料が変更される可能性があり、9月には厚生年金保険料が変更される可能性ありますので、正しい数値が反映されているかどうか、確認しましょう。
給料の振り込みは毎月自動振込で
上で計算した実際の支給額を毎月、一人社長(私)の銀行口座に振り込むわけですが、ネット上で完結するとはいえ毎月手作業で振り込むのは面倒です。
一人社長の給料は12ヶ月間定額となっていますので、社会保険料が変更される可能性のある3月と9月に注意しながらある程度自動振込設定をしておきましょう。
楽天銀行の法人口座でも、毎月おまかせ設定で給料を自動で振り込むことができます。
めっちゃ楽ですよ。
社会保険料の振込はPay-easy(ペイジー)で
法人口座の維持手数料が無料なネット銀行で、社会保険の自動引き落としが出来る銀行はありません。
でも社会保険料の納付書を送ってもらいPay-easy(ペイジー)で自宅から振り込めばさほど面倒ではありません。
社会保険料の納付書はPay-easy(ペイジー)に対応していますので、自宅からネットで納付可能です。厚生年金保険料等の納付|日本年金機構
楽天銀行はPay-easy(ペイジー)に対応している数少ないネット銀行の一つです。
自宅を会社の事務所にできない私はバーチャルオフィスを契約しています。バーチャルオフィスから振込用紙(納付書)が転送されるまでに最低1週間かかりますので、社会保険料の納期に間に合わないことがほとんどです。
でも大丈夫です。納付書に記載されている納付期限に間に合わなくてもPay-easy(ペイジー)では納付可能です。
給料支払いの仕訳は?会計ソフト「弥生会計」で解説
さて面倒ですが、会計ソフトに給料の支払いや社会保険料納付時の取引を正確に仕訳して記帳しておかねばなりません。
しかし、一人社長の給料の仕訳は最初だけが面倒なだけです。毎月決まった給料を支払ってますから。
流れは次の通り。
例:一人社長の給料 3月分を3月25日支払いにすると(通常は月末締め翌月払いだけど、一人社長の場合は融通が利くので、分かりやすく当月支払いとします。)スケジュールは以下の通り。
◼月に1度
社会保険、税金、支給額を料計算 無料(都道府県を福岡県に設定。)で計算し、
- 支給額を3月25日に振り込み、会計ソフトで3月25日付けで仕訳し記帳。
┗ 支給額、当人支払いの社会保険料、源泉所得税を仕訳。 - 3月末日に社会保険料の会社負担分を未払金として仕訳。
※「子ども・子育て拠出金」も会社持ちで未払金として仕訳。厚生年金保険の標準報酬月額および標準賞与額に、拠出金率(0.36%)を乗じて得た額の総額。これが社会保険料の納付書の総額に加算される。一人社長の給与が18万円の場合は標準報酬の等級は13等級。標準報酬月額は18万円で、その0.36%は648円。これが「子ども・子育て拠出金」です。この合計が以下の納付書の額面とあっているかを確認する必要あり。 - 翌月に社会保険の当人支払い分と会社負担分を納付書で納付(Pay-easyで)
◼半年に1度
加えて、半年に一度、源泉所得税を電子納税(イータック)で納付します。一人社長ですから源泉所得税の納期の特例で半年に一度7月と1月に6ヶ月分をまとめて行います。
次に以上の取引を実際の仕訳で説明します。
◼給料から社会保険料と所得税を計算する。
料計算 無料で以下の条件で計算。
- 一人社長の給与を18万円
- 都道府県を福岡県
- 年齢を40~64歳に設定
- 雇用保険は社長なので未加入
- 健康保険厚生年金を当月分料率で計算にチェックを入れる
当人支払い分の社会保険、税金、支給額は以下の通りです。
給与明細書
支給年月 2022年3月
<支給>
基本給: 180,000
支給額合計 180,000
<控除>
健康保険 9,189
介護保険 1,476
厚生年金 16,470
(社会保険計) 27,135 ❶
(課税対象額) 152,865
源泉所得税 3,050
控除額合計 30,185
差引支給額 149,815(3月25日に振込だ)
ここから会社側の未払金を計算します。
- 社会保険料(会社負担分):27,135円(上の「社会保険計」と同額)❷
- 子ども・子育て拠出金:180000万×0.36%=648円 ❸
会社側の未払金合計は 27,783円 となり、月末つまり3月31日に計上します。
納付書には社会保険料の❶ 本人支払分、❷ 会社支払分、❸ 会社負担分の「子ども・子育て拠出金」の合計が請求額(54,918円)となっています。その納付書を用いて翌月末日までに支払を済ませるわけです。Pay-easyで。
では、会計ソフトにはどのように記帳するのでしょうか?
一人社長として面倒な作業ですが、会計士に依頼するほどのものではありません。以下の通りです。
借方 | 貸方 | ||||
---|---|---|---|---|---|
3月25日 当月支払いの給料日 | 役員報酬 | 180,000円 | 預り金 | 27,135円 ❶ | 社会保険料計 |
預り金 | 3,050円 ❹ | 源泉所得税額 | |||
普通預金 | 149,815円 | 差引支給額 ※手取り、社長の個人口座に振込。 | |||
3月31日 | 法定福利費 | 27,783円 | 未払金 | 27,783円 ❷+❸ | 会社負担分の社会保険料と子ども・子育て拠出金の合計 |
4月30日 | 預り金 | 27,135円 ❶ | 普通預金 | 54,918円 | 社会保険料の納付書で法人口座から支払い。Pay-easy経由。 |
未払金 | 27,783円 ❷+❸ | ||||
7月1日 | 預り金 | 18,300 ❹×6ヶ月 | 普通預金 | 18,300 | 源泉徴収税額×過去6ヶ月分。 |
以上のように一人社長の給料に支払に関しては、毎月 3つの取引、6ヶ月に1度の取引を繰り返すわけです。
私は会計ソフトは個人事業主時代(やよいの青色申告オンライン)で利用していた「弥生会計」を利用しています。
毎月給料日には以下のように仕訳します。
◼弥生会計オンラインのすすめ
会計ソフトのオンライン版でもシェアNO1の「弥生会計オンライン」はおすすめです。
サポートなしの「セルフプラン」は1年間で28,600円(税込)、サポート(電話)が充実している「ベーシックプラン」は1年間で33,000円(税込)。
いずれのプランも最初の1年間は無料です。起業してから1年以内に申し込めば、2年間無料で使えます。
➜詳細:起業家応援キャンペーン|弥生会計
おすすめは、無料期間は「ベーシックプラン」で契約し、無料期間中に仕訳方法/操作方法、税に関する無料相談を電話でたっぷり受け、無料期間が終わってから「セルフプラン」に切り替えることです。弥生会計のカスタマーサービスに電話したら「それは可能です。」という返答が来ましたから、ご安心ください。
以上
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