本当にお得?「ふるさと納税」問題点は?計算や確定申告が面倒だけどメリットも多いよ!

節約

※ 記事には一部広告が含まれています。

今話題のふるさと納税。所得税や住民税の1割を地方自治体への寄付へ回し、豪華な特産品をもらえることで、”お得”に目のない主婦が注目しています。2015年度からは控除が住民税に一本化され確定申告が不要になるケースも生じたり、控除額が2倍になりさらにお得になる予定で、注目度が上昇中です。でも「ふるさと納税」は、その複雑な仕組みや税制一般を知らないと、手間だけかかって損をするという残念な結果になっている人もいるようです。では以下にふるさと納税の仕組みや問題点をおさらいしておきます。

スポンサーリンク

そもそも「ふるさと納税」とは

簡単にお金の話だけすばこうです。2000円払って2000円では買えない地方の特産品をお得にゲットできるというもの。

たとえば岐阜県各務原市に1万円寄付すると御礼として「特選飛騨牛A5等級すき焼き用250g」が送られてきます。「ふるさと納税」は税控除の対象になる特別な寄付なので、確定申告をすれば2000円を引いた全額つまり8000円は戻る(#1)計算です。つまり2000円で高級和牛肉を手に入れた計算になります。実際この和牛は楽天で購入すれば約5000円に相当します。むちゃお得ですよね。

「ふるさと納税」は”納税”という言葉が入っているものの、税制上では寄付扱いとなっています。ですから、確定申告では一定の額が税控除の対象になります。

計算式は少々複雑です。以下を参考にしてください。

#1・・・翌年の確定申告で所得税から800円が還付され、翌年の住民税から残りの7200円が減額されるという仕組みです。なお2015年度から、控除は住民税に一本化され、控除額が2倍になる予定です。

寄付を受け入れている自治体によって違いがありますが、お礼の特産品として、カニ、ラーメン、パン、米、果物、魚介類だったりと、様々なものが用意されています。

「ふるさと納税」の問題点とデメリット

良いこと尽くめのように聞こえる「ふるさと納税」ですが、問題も多々あります。まず「ふるさと納税」は税金を全く、もしくはほとんど払っていない私(Web生活者)のような低所得者にはメリットがないという問題です。(←問題視しない人もいる。)

低所得者にはメリットなし

というのは、住民税(市県民税)の所得割 税額のうち1割、つまり住民税の課税所得の1%しか控除の対象にならないわけです。上記の例でいえば、1万円寄付して8000円が戻ってくるためには、住民税所得割(1割)である8万円以上の住民税所得割分を払っている必要があります。つまり課税所得は10倍の80万円です。住民税の課税所得が80万円ということは、独身者の場合年収が最低でも200万程度必要です。夫婦と子供2人の家庭なら350万の以上の収入が必要です。(扶養家族の人数や社会保険料控除額でも大きく変わります。)

特産品にもよりますが「ふるさと納税」でメリットがある年収ラインは独身者で200万円から、夫婦と子供2人なら350万以上

確定申告の手間

さらに確定申告の手間もあります。「ふるさと納税」は寄付控除扱いです。ですからたとえサラリーマンであったとしてもしっかり確定申告しなければ、還付金はありません。(サラリーマンは2015年度から必要なくなる可能性あり。)

めったに確定申告をしない、あるいは確定申告をしたことがないサラリーマンが、「ふるさと納税」を申告するために、確定申告の書類を作成するのはかなり面倒で手間がかかりますし、書類の作成ミスも考えられます。前年は「ふるさと納税」者のうちかなりの方がつまづいたというデータがありますし、今年も例外ではないでしょう。

2月15日~3月15日まで確定申告相談会が各地で行われていますが、休日に開いているところは少ないですし、相談できても長蛇の列に並ばなければなりません。

自治体の対応の違い

収入ラインや確定申告の手間だけでなく、お礼の特産品の扱いも、「ふるさと納税」を導入している各地方自治体によって対応が違うということです。

たとえば、上記の岐阜県各務原市では最大5万円まで1万円につき特産品1品を申し込めます。しかし、他の自治体では、1万円以上寄付しても、年に何度寄付しても、特産品の送付は年に1回のみというところもあります。

さらに寄付をすればすぐに特産品が送られてくると勘違いし、寄付先の自治体に文句を言ったりする人もいます。(←何のための寄付か分からない。)

他にも、特産物品をもらえる金額以下で寄付してお目当ての特産品がもらえなかったり、控除対象枠以上の寄付をして泣きをみたりする人も続出しているとか。また、大抵地元の自治体に寄付しても特産品はもらえないのに、それを知らずに地元に寄付する人もいます。

以上のように「ふるさと納税」は、その仕組みとその恩恵を受けるために寄付する人に何が求められているかをはっきり理解しないと、あとで「そんなはずはなかった!」ということになりかねません。問題に陥る人は大抵「ふるさと納税」の仕組みや一般の税制に関して十分な知識を得ていません。

「ふるさと納税」のメリット

しかし「ふるさと納税」は、節約/節税が大好きで、確定申告やお金の計算そしてネットでの申し込みなど億劫に感じない方にとって、ちょっぴり得した気分にしてくれる国のすばらしい地方活性化制度でしょう。

最後に「ふるさと納税」のメリットを上げます。

  • 自分の故郷だけでなく、どこの自治体にも寄付して町おこしに役に立ててもらえる。
  • 寄付額を複数の自治体に分散しても利用できる。
  • 2000円で大抵2000円以上の特産品を手に入れられる。
  • 特産品は米などの生活必需品から、高級和牛や高級カニ、さらには 航空券を買える数万円分のポイント、寄付の半分まで電子マネーで還元など、より取り見取り。
  • 銀行振込みが面倒なら、クレジットカードで支払いOKなところあり。

私も「ふるさと納税」で恩恵を受けられるほどの稼ぎを得たいものです。なお「ふるさと納税」を実施している自治体や特産品を検索できるWebサービスは以下からどうぞ。

コメント