我が家の無線LANルーター が壊れました。5年ぶりに買い替えて3台目となりましたが、選ぶのにかなり悩みました。超高速通信に対応しているだけでなく、機能も多様化しており、それらの機能が自分の利用したい子機(パソコン、スマホ、ゲーム機)しているかどうかが問題になるからです。この記事では、私のようにルーター選びでお悩みの方が、自分に必要とする最適な無線LANルーターを選ぶ上で役立つ情報をまとめます。特にスピード重視なら通信規格 11ac(WiFi5) は当たり前、できれば最新の11ax(WiFi6)そして今はアンテナの数(ストリーム数)で選ぶことが後悔しない選び方です。では以下に家族の人数と家の広さごとにおすすめルーターを紹介します。
我が家の無線LANルーター利用歴
我が家らの無線LANルーター利用歴を覚えてる範囲でリスト化すると以下のとおりになりました。
- NTTの純正のもの。忘れました。
- バッファロー Airstation 5,000円
- アイ・オー・データ WN-G300TVGR 約 1万3000円
- アイ・オー・データ WN-AC1600DGR3 (今回 2016年10月 購入) 8,000円
無線LANといえば、バッファローがかなりのシェアを占めています。我が家でも利用していました。故障しておりませんので、現在でもバックアップ用として保存しております。
無線LANルーターの選び方
ではなぜ私が、今更無線LANルーターの選び方やおすすめを書こうと思ったのでしょうか?
無線LANルーターは新製品が出てもパソコンやスマホのようには話題性はほとんどありません。故障すればちょっと調べて簡単に買い替えるだけのものです。基本どの無線LANルーターも100Mbps以上の速さはありますので、3LDKの屋内でつながりさせすればなんでもいいわけです。
※ さきほどネット回線スピードを調べてみると、20Mbpsしか出ていませんでした。評価は「快適」に入るそうです。フレッツ光も新品の無線LANルーターも”ギガ速”、つまり1000Mbps がウリなのにね。
でも結局、安くとも数千円かかるので、せっかくなら通信性能が高く機能が充実したものを調べ、納得できる無線LANルーターを選びたいわけです。今回の私がこれ。
それでこの機会に、今後数年したらに再び故障すると思われる時のために、今時の無線LANルーターの特長をまとめておきたいと思い、この記事を書いております。
でもその前に、前提とする利用環境について述べます。
無線LANルーターが必要な家庭は、光ブロードバンドを含めた高速固定回線契約をしている場合しか考えられません。高速ならケーブルTVでもいいです。ですからそれを前提に無線LNAルーター選びのポイントを記します。
鉄則[1]速さは一番大事
ただ「つながればいい!」みたいな時代はとっくに過ぎ去っております。← 以前私がそう思っていました。
肝心なのはスピードです。
すでにご存じかと思いますが、無線LANルーターや受信端末(パソコン、スマホ、ゲーム機などの子機)の仕様に、【Wi-Fi 802.11a/b/g/n/ac】 というWi-Fi通信規格をよく見かけます。これって速さの規格でもあるんです。
今時の無線LANルーターのなかで、特に大事なのは最後の 「ac」表示があるかどうかです。これがどんだけ速いかを理解するために、「Wi-Fi 802.11」の規格のおさらいをしておきましょう。以下の通りです。
規格名 | 周波数帯 | 最大速度 |
802.11b | 2.4GHz ※ 1 | 2 Mbps |
802.11g | 2.4GHz | 11 Mbps |
802.11n | 2.4GHz 5GHz | 600 Mbps |
802.11a | 5GHz | 54 Mbps |
802.11ac WiFi 5 | 5GHz | 6.9 Gbps ※ 2 |
802.11ad | 60GHz | 6.9 Gbps |
802.11ax WiFi 6 | 2.4GHz 5GHz | 9.6 Gbps |
※ 1 2.4GHz は 5GHz より障害物に強く、遠くまで電波を飛ばせます。
※ 2 アンテナ最大数 8本の場合、160MHz。
数年前までは「802.11n」が主流でした。iPadなら iPad mini 3、iPhoine iPhone 5s までは「802.11n」対応です。
しかし「802.11ac」(WiFi 5)は、iPhone なら iPhone 6 以降のモデル、iPad なら iPad mini 4 および iPad Air 2 以降のモデルに対応、「802.11ac」の1.5倍のスピードである「802.11ax」(WiFi 6)ならiPhone 11以降の機種に対応しています。(念のためにご自分のモバイル端末やパソコンをお調べください。)
でも、 「802.11ac/ax」がいくら最速でも、自宅の固定回線速が対応していなくては意味がありません。
我が家はNTTフレッツ光で1Gbpsに対応済みです。ですから無線LANルーターは「802.11ac/ax」対応のものを購入しなければ、光回線のスピードを十分に活かせないわけです。
※ とは言ってもこれらは理論値であり、回線/電波状況に大きく左右される実効速度とは大きく乖離しています。すでに述べた通りです。USB接続機器との通信速度はこの限りではありませんが・・・。
以下にポイントをまとめます。
WiFi規格は 「Wi-Fi 802.11a/b/g/n/ac/ax」を選ぶべし。
鉄則[2]アンテナの数
Wi-Fi規格に続き、無線LANルーターの選び方で大切なポイントとして、アンテナの数(ストリーム数)です。これは単純にアンテナの本数が多いほうが通信速度が速いです。
さらにアンテナの数の多い無線LANルーターのほうが接続台数の多い家庭で通信を安定させるためには必須です。
今では1人でパソコン、スマホ、ゲームなど子機数台を利用している時代です。一家4名の家庭なら10台前後になることもあるでしょう。我が家なんて2人しか利用していないのに8台もつないでいますよ。
ですからより安定したWi-Fi通信を確保するためにも、特にシビアな環境下では、アンテナの数が多い無線LANルーターを選ぶべきです。
ここで、複数アンテアを搭載した無線LANルーターの仕組みを復習します。
※ 複数のアンテナを利用して通信速度を高める技術をMIMOといいます。
鉄則その1で取り上げた規格である「802.11ac」対応のもをアンテナの本数でスピードを計算すると以下のようになります。80MHzの場合です。
アンテア数 | スピード |
1本 | 433.3 Mbps |
2本 | 866.7 Mbps |
3本 | 1300 Mbps |
4本 | 1733 Mbps |
8 本 | 3476 Mbps |
数が多ければスピード抜群ですよね。
しかしここで注意が必要です。たとえば、無線LANルーター本体がアンテナ数2本でも、パソコンやスマホなどの子機のWiFiアンテナ数が1本なら、この機能を生かすことができません。
ではどこで見分ければいいのでしょうか?
たとえば現在私が愛用しているノートパソコンのカタログ・スペックを見てみると、
【 IEEE802.11 a/b/g/n/ac 対応 2×2 】
とあります。末尾の【2×2】という意味は、このパソコンにWi-Fiアンテナが【受信用アンテナ2本 × 送信用のアンテナ2本】を搭載していますよ、ということ。これを2ストリームといも言います。
またiPhoneなら以下の通りです。
- iPhone 11・・・「MIMO対応802.11ac/ax」 (2×2 )
- iPhone X,XS,XR ・・・「MIMO対応802.11ac」 (2×2 )
- iPhone 8/8Plus ・・・「MIMO対応802.11ac」 (2×2 )
- iPhone 7/7Plus ・・・「MIMO対応802.11ac 」(2×2 )
- iPhone 6s/6sPlus ・・・「MIMO対応802.11ac 」(2×2 )
- iPhone SE・・・・「802.11ac」(1×1 )
「MIMO」とは複数のアンテナに対応してますよ!という意味です。つまりアンテナ2本です。
一方「iPhone SE」はその記載がありませんので、アンテナは1本です。つまり iPhone6 以前のモデルはすべてアンテナは1本みたいですね。
ちなみに iPadでは iPad Air 2 以降、iPhone では iPhone 7 以降がMIMOつまり【2×2】となっています。 最近のパソコンの中にはアンテナ数【3×3】対応みたいなモデルも発売されています。
したがって、パソコンやスマホのWi-Fi通信速度を最大限生かすためには、アンテナ2本以上かつIEEE802.11 ac/ax(WiFi 5/6) 対応の無線LANルーターを購入すればいいわです。
では、無線LANルータを選ぶにあたり、アンテナ数を知るためにどこを見ればいいのでしょうか?
一例として今一番人気の以下のモデルをご覧ください。(親機だけでなく、中継器や子機まで充実しているモデルです。)
一目瞭然です。バッファロー製のハイパワー無線LANルーターですが、外部アンテナが4本であることがすぐに外観から判断できます。
※ 上記の製品は実は独自のアンテナ設計で、12本分のアンテナ(12ストリーム)を実現しています。8×8 、4×4 でスピード規格値は5950Mbpsで、無線ルータの中で最高レベルです。
このようにパッケージに写っている無線LANルータの外観からアンテナの数がはっきり分るものもありますが、内部アンテナの無線LANルータは外観からは分りませんので注意が必要です。
お勧めは、飛ばす電波の角度を調整できる外部アンテナです。とくに2階建ての木造家屋で威力を発します。アンテナは横方向に出力しますので、アンテナを寝かせるなら上下の階への出力が大きくなるのです。電波を家の隅々まで届かせることが可能です。
ここで注意を。パッケージに【内蔵アンテナ×5】とあっても、たいていは 2.4GHz送受信用×2、5GHz送受信用×3 という意味ですから、周波数帯 5GHz で使用する IEEE802.11 ac を最大3本のアンテナで利用できる、つまり 1300 Mbps 対応という意味にすぎません。
この場合、しばしばパッケージには、 「1300Mbps + 300Mbps 対応」みたいな表示になっています。接続台数が多いご家庭で比較的安定した通信がで期待できます。
以下にポイントをまとめます。
アンテナ数は2本以上を購入すべし。iPhone 7/8/X/XS/XR/11 をつなげたいなら必須だ。
鉄則[3]有線LANの対応スピード
アンテナ数に続き、通信速度が異なる有線LANの対応規格は無線LANルーター選びの基本中の基本です。
ここ数年はNTTフレッツ光を始めとする光回線のスピードは1Gbps つまり 1000 Mbpsが主流になっています。しばしば”ギガ対応”みたいに宣伝されていますね。
したがって、無線LANルータも有線LANが1Gbps 対応のものを選択しなければなりません。有線規格表示は【 IEEE802.3ab(1000BASE-T)】です。ギガビット・イーサネットとも呼ばれます。
ここ数年のうちに販売開始になっている無線LANルーターの多くは1Gbps 対応ですが、低価格モデルまたは5,6年前のモデルなら 100 Mbps (IEEE802.3u(100BASE-TX))にしか対応していません。
ですから「無線LANルーターはつながればどれも同じだ!」みたいな考えで、楽天やAmazonで低価格のものを購入すると、後々後悔することになるかもしれません。
有線LANは 1 Gbps 対応のものを選ぶ。
鉄則[4]セキュリティ
さて無線LANルーターの選び方 鉄則4 はセキュリティです。私的にはこれ一番大事です。
データを途中でのぞき見されたら気持ち悪いですよね。ご安心あれ、Wi-Fi通信は通常暗号化されております。
その技術がセキュリティー企画であり、以下のような変遷をたどっております。
WEP ⇒ WPA ⇒ WPA2 ⇒ WPA3
最新規格は WPA3 です。
それぞれの規格の意味がそこまで重要ではなく、最新規格を選べば大丈夫です。
ですから、無線LANルーター はWPA2または WPA3 を採用しているものを強くお勧めします。というか、今どきの無線LANルーターはWPA2までの規格すべて採用されているのでそれほど気にすることないようです。子機の最新OSもおおかた対応しているようです。
セキュリティー規格は WPA2/WPA3 対応のものを選ぶべし。
鉄則[5]付加機能
無線LANルーターの選び方の5番目のポイントは「付加機能」です。
パソコンやモバイル端末を子機として高速通信できればそれでOKというユーザーなら、「付加機能」に関してそこまで考えなくていいです。
しかし、以下のようなことが無線LANルーターでできたら嬉しい人もいます。
家の中で移動しながらiPhoneやプレステなどのゲーム機を使っても通信が途切れにくい。(「ビームフォーミング」機能)
ブルーレイディスク、DVDドライブ、USBメモリー、テレビチューナー、ハードディスク、プリンターなどのUSB接続できる機器を無線LANルーターにつなげて、パソコンやスマホから利用したい。(NAS機能、サーバー機能)
ネット接続できる子供のゲーム機やスマホで不適切なサイにがつながらないように、無線LANルーターでフィルタリングしたい。(フィルタリング機能)
子どもがゲーム機やスマホでネット接続する時間帯を制御したい。(タイマー機能)
外出先から無線LANルーターにつないでいる自宅のパソコンを起動・操作したり、おなじく無線LANルータにつないだ自宅のハードディスクの動画や音楽やオフィス文書にアクセスしたい。(リモートアクセス機能)
光回線で高速化できるIPv6に対応したWiFiはこれから必須となります。(IPv6ルーター機能。※ 現行機種のほとんどは IPv6ブリッジ・IPv6パススルーには対応済み。)
いかがでしたか?
どの機能があればいいなとお考えですか?子どもがいる家庭では「フィルタリング機能」かも。
「フィルタリング機能」を搭載している無線LANルーターの代表格以下の通り
販売元 | サービス名 | フィルタリング 精度 |
料金 | 備考 |
---|---|---|---|---|
アイ・オー・データ | ファミリースマイル | △ | 2037円/年 (数年間無料) |
機種によってはAPモード(ルーター機能OFF)でも利用可能。SSL通信では動作せず。 |
バッファロー | ペアレンタルコントロール (ConnectSafe/i-フィルター for BUFFALO) |
◎ | 3240円/年 60日間無料 |
APモード(ルーター機能OFF)では利用不可。SSL通信では動作せず。 |
USB接続できるブルーレイディスクで映画を寝っ転がってスマホで見たいなら「NAS機能、サーバー機能」機能付の無線LANルータ-がいいですよね。(正確にはUSB接続機能)
では環境別におすすめ無線LANルータを紹介します。すべて現行機種です。
環境別おすすめ無線LANルータ
9名用(利用推奨環境9人・4LDK・3階建て)4K対応
こちらは9名用で大家族が想定されています。バッファロー製で最も強力で最新です。
外付けアンテナ+内蔵アンテナを備えており、子機(中継機 最大10台まで)を設置すると広い家の中のどこでも高速通信可能となります。
なんといっても、4K動画を優先的かつ安定的に視聴できる「アドバンスドQoS」の「4Kモード」対応しており、テレビや中継器に直接強力な電波を向けられる稼働式アンテナ搭載しています。先を見越して4K時代にしっかり対応したいならこれ必須です。もちろんビームフォーミング搭載です。
6名用(利用推奨環境6人・4LDK・3階建て)
現段階で一番おすすめな無線LANルーターは機能的に完璧なバッファロー製のWXR-5950AX12ですね。お値段は結構な額ですが、これがあればスマホやパソコンを沢山利用している家族や事業所でも使えます。(最大64台)一般家庭ではまったく問題ありません。
一番おすすめ!
そこまでは不要だとお考えの方は、以下のWiFiルータをおすすめします。
アンテナ4本で、最大 1733 Mbps 。鉄則1~4を余すところなく満たし、3階建て/4LDK対応です。家庭用でこんなに感度が強力でいいのだろうか?といささか疑問ですが、おままけに、家の中を移動しながらゲームをしても通信が途切れにくいビームフォーミング搭載です。まさに最強でしょう。しかも別売りですが中継器まで対応しているとのこと。
4名用(利用推奨環境4人・3LDK・2階建て)
「家族6名もいないし!高額なのは不要!」
みたいな方は、いずれもAmazonでベストセラーになっている以下のモデルがおすすめです
3名用(利用推奨環境3人・3LDK・2階建て)
端末を3個つないで同時利用するなら「3名タイプ」を選択すべし。
この旧モデルは型番が「WHR-1166DHP3」でAmazon でダントツのベストセラーになったことがあります。
1~2名用(利用推奨環境2人・ワンルーム)
1~2名用もやっぱりバッファロー製が一押しです。
1~2名用でもっとお安いものがありますが、11ac 非対応である場合が多い旧型です。
バッファロー製の上記のものは今でも現行機種で常にランキング入りしています。
でも、1~2名用も、3~4名用もお値段的に大した差はありませんので、3~4名用の購入をお勧めします。
以上バッファロー製ばかりをお勧めにしましたが、品質は業界2位のNEC製と同レベルと言われていますし、性能が同レベルの商品ではNECよりバッファロー製のものが確実に安いです。
とは言ってもバッファロー製が嫌いな方もいるかも。ではNECのおすすめは?
NEC製の無線LANルーターで一番人気は「NEC Aterm WGシリーズ」一択でしょう。中継機にも対応している NEC Aterm WG2600HP2 未だに人気です。 11ac/n/a(5GHz帯)&11n/g/b(2.4GHz帯) 同時利用タイプ 1733+800Mbps で、上記のバッファローと同性能です。
他にも沢山のモデルがある無線LANルーターですが、上記のバッファロー製かNEC製を購入しておけば、どんなタイプのご家庭でも不自由することなく利用できるのは間違いありません。
特にバッファロー製の最新モデルは発売してからかなり早く価格が下がる傾向にありますから、要チェックです。
以上、今時の無線LANルータの選び方とおすすめ品でした。
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