Googleロゴ「シュレーディンガーの猫」は量子力学の奇妙な世界観(パラドックス)を表わす

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今日(2013年8月12日)のGoogleロゴは「シュレーディンガーの猫」という量子力学の電子レベルの極微な状態での奇妙な世界観が表現されていました。猫の入った箱のふたを開けるまで、猫が生きている状態と死んだ状態が共存しているのです。なんのこっちゃ!

今日はオーストリアの物理学者である エルヴィン シュレーディンガー の生誕126周年に当たります。Googleロゴは彼の偉大な業績である波動力学とその結果が現実世界のパラドックスを引き起こすことをシミュレートした「シュレーディンガーの猫」がモチーフになっております。

波動力学はハイゼンベルグの行列力学と同様に量子力学の真髄ならびに、極微な世界の本質を表現しコンピュータサイエンスの基礎中の基礎となっています。

シュレーディンガーの猫と波動関数

中高の理科の教科書では、原子それぞれには決まった数の電子が太陽系を回る惑星のように、核の周囲を特定の軌道で回るイメージを教えられています。しかしあれは理解しやすいように描いているだけで、そのような軌道はシュレーディンガーの波動方程式からは導きだせません。なぜなら電子レベルの極微な世界では不確定性原理が働き、電子が存在する確率の高い領域(確率の雲)を導き出さるに過ぎないのです。(確率論的解釈)

重要なポイントは電子の状態と時間は同時に測定できません。状態(位置など)を特定すると時刻があいまいになります。

論理が飛躍しますが、その確率論的解釈は電子銃から一発づつ飛び出す電子が2つの穴のスリットを通り抜ける時に干渉縞をつくるという実験結果によって確認されています。

その独特の世界観はしばしば「シュレーディンガーの猫」と呼ばれるパドッククスを生じさせます。それはWkipediaから拝借した下の画像に示されていました。青の電子銃(実際は放射性物質のラジウムのアルファ崩壊によるアルファ線)から発せられる電子は1時間当たり50%だとすると、それに連動する毒ガス発生装置によって猫が死ぬ確率も1時間で50%ですね。

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奇妙なのは、量子力学的な世界観では、この装置のふたを開けるまで常に猫が死んでいる状態生きている状態が共存しているというものです。観測して初めて決定します。シュレーディンガーが完成させた量子力学の本質はそこにあります。

アインシュタインはこの量子力学の確率解釈に異議をとなえ「神はサイコロをふらない」と言ったとされています。

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