国民年金保険料を免除できない収入ラインとは?その場合の国保税、市県民税、所得税はいくらになるの?

金融

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国民年金保険料を全額払わねばならない所得ラインが気になります。その所得が数年続くとしたら毎年どれほどの税金がかかるのでしょうか?

私は自営業で青色申告しています。家族に給料(妻)を払いながら細々と生活しています。低所得なので、国民年金の保険料の免除が続いています。では一部免除もされない所得があった翌年のおよその(1)国民年金の保険料(2)国民健康保険税や(3)市県民税や、(4)所得税はいくらになるのかが気になり調べてみました。

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(1)国民年金の保険料

平成23年度の国民年金保険料は月15020円です。夫婦二人で、月々30,040円です。夫婦二人で年間360,480円の保険料です。

さて、全額免除の基準は日本年金機構によると、以下のように夫婦のみの世帯で247万円です。つまり、事業主(夫)と青色専従者給与(同居家族の妻)の合計所得が247万円以上だと国民年金を全額払わなければならないわけです。(ちなみに妻に103万の年間給与を支払うと、妻の所得は38万円になるので、夫は209万円以上の所得となります。)

ちなみに免除率に応じた所得合計は以下のとおり。

  • 4分の1免除・・・195万~247万円の所得
  • 2分の1免除・・・142万~195万
  • 4分の1免除・・・92万~142万
  • 全額免除・・・・・92万未満

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(2)国民健康保険料

では、上記の所得で国民健康保険料をどれほど払わねばならないのでしょうか?

まず国民健康保険税の控除ですが、妻は専従者給与ですから33万円の控除はなく事業主(夫の私)分だけしかありません。したがって、課税所得は247万ー33万=214万円です。

では、保険料はどう計算されるのでしょうか?以下は九州のある市町村の平成22年度のものです。

20110525200938

上記の例で計算すると夫婦二人で、年393,380円つまり約40万円。以下はその内訳です。

医療 支援分 介護
所得割
(×214万円)
185,110 49,220 48,150
均等割(×2人) 53,000 14,400 16,000
平等割 25,700 6,400 5,400
合計 263,810 70,020 59,550

 

(3)市県民税

市県民税は国民健康保険税と同じように、均等割りと所得割があります。
均等割は一人当たり市民税が3,000円、県民税が1,500円で、2人で9000円です。
所得割は課税所得×10%ですが、市県民税の控除は所得税並みにあります。上記の国民健康保険税(約40万)や年金保険料(約36万)の控除や医療費控除、生命保険料控除などがあります。基礎控除は一人33万で二人合わせて66万円。医療費控除、生命保険料控除は計算に含めないとすると、控除の合計は142万円です。

したがっって、市県民税の課税所得2人分で247万ー142万=105万円で、税額は約10%ですから約10万5千円です。したがって市県民税は均等割りを加えると夫婦2人で11万4千円となります。

(4)所得税

所得税は基礎控除が38万円以外は市県民税の控除と同じですから、二人合わせて課税所得は62万円となり、税率5%で6万2千円です。

したがって上記の合計は

国民年金・・・・360,480円
国保税・・・・40万円
県民税・・・11万4千円
所得税・・・6万2千円

合計・・・・936,480円(約94万円)。月に7万8000円です。

■ まとめ

したがって手元に残る可処分所得は247万円ー94万円=約153万円です。

以上が、年金保険料を免除できない所得ラインになった結果です。きついですね。ただし実際には青色申告特別控除の65万円、妻の給料分約65万円の130万円があり、合計は283万円が可処分所得となるわけです。

したがって年収は
約283万(可処分所得)+約94万円(税金や年金)=377万円

月収は経費を除き、税金や社会保険料を引く前で31万4千円になります。

おおざっぱですが、まとめとして以下が国民年金保険料の満額を支払わねばならない所得ライン(247万円)が数年続いた場合の計算のまとめです。

経費を除いて月収は31万4千円になり、年収は377万円(所得は事業主の青色申告控除と妻の給与所得控除の合計130万を引いて247万円)です。そこから、約94万円(7万8千円/月)の社会保険料や税金を支払い、手元には約283万が残り、ここから生活費が出ていくわけです。

年収337万円に対して、28%、所得247万万円に対しては38%が年金や税金に消えてゆく計算です。

月収に対する公的支払いの計算式

さらに、年金保険料や国保税などの社会保険控除を組み入れた、各種の公的な支払い(年金、国保、市県民税、所得税)のもっと正確な計算によって、月収によってどれほど違うのかを計算をしてみました。

各種控除

まず、それぞれの課税所得を計算するための所得控除です。

  • 国民年金・・・247万円+65万+65万=337万(28万0,833円/月)
    厳密には所得控除ではありませんが、上記のように免除できない月収です。
  • 国保・・・163万円(13万5,833 円/月)
    夫・・・65万+33万
    妻・・・65万(青色専従者給与のため33万なし)
  • 市県民税・・・196万円(16万3,333 円/月)
    夫・・・65万+33万
    妻・・・65万+33万
  • 所得税・・・206万円(17万1,667 円/月)
    夫・・・65万+38万
    妻・・・65万+38万

支払い額の計算

以下は経費を除いた月収が28万0,833円以上の場合、社会保険料控除(国保、年金)を計算に加えると以下のように計算できす。仮定として、前年度同月と同じ月収があるとし、国保税と年金の社会保険料控除(30,200円+国保税K)を計算に加えてみます。

  • 国民年金(2人)・・・30,200円(平成22年)
  • 国保税(2人)
    ・・・固定額 103,400円(基礎+支援+介護)÷12カ月=8,616円/月
    ・・・所得割 K円/月=(月給料ー13万5,833 円)×11.9%
  • 市県民税(2人)
    ・・・固定 4,000円《9,000円(均等割)-5,000円(調整控除)》÷12=333
    ・・・所得割 C円/月=(月給料ー16万3,333 円ー30,200円-国保税K)×10%=(月給料-19万3,533-国保税K)×10%
  • 所得税(2人)
    ・・・S円/月=(月給料ー17万1,667 円/月ー30,200円-国保税K)×5%=(月給料-20万1,867円-国保税K)×5%
    ただし、課税所得…195万円×2人=390万円までは5%
    つまり、課税所得(390万円)+所得控除(206万円)=596万円÷12=49万9,666円/月までは税率5%。それ以上になると195万円超~330万円は10%。つまり2人で390万円~660万円、所得控除(206万円)をプラスすると、596万~866万(49万9,666円/月~72万1,667円/月)までは税率10%。ただし配偶者の一方に、97,500円の所得控除あり。

 

月々の支払い

したがって月々の公的な支払い(年金、国保、所得、市県民税の合計)は以下の通り。(以下は経費を除いた、月収入が28万0,833円~49万9,666円/月の場合)

固定合計(39,149円 )+所得割合計(月収×25.2%-43,185円/月)

=月収×25.2%-4,036円/月

内訳は以下の通り。

  • 固定合計・・・39,149円 /月
  • 所得割合計・・・K+C+S=月収×25.2%-43,185円 /月
    所得割合計の計算は以下(49万9,666円/月までは
    K円/月=11.9%×(月給料ー13万5,833 円)
    C円/月=10%×(月給料ー19万3,533円-国保税K)
    S円/月=5%×(月給料ー20万1,867円-国保税K)

経費を除いた月収が、40万円~50万円とすると、公的な支払いは以下の通り。

  • 40万円とすると、400,000円×25.2%%-4,036円=9万6,764円
  • 45万円とすると、450,000円×25.2%%-4,036円=10万9,364円
  • 50万円とすると、500,000円×25.2%%-4,036円=12万1,964円

上記のように、夫婦合わせて月収が28万0,833円~49万9,666円までは25%が公的な支払いです。きついな!もっと節税できる方法をどなたかおしえてください。

個人事業税

さて、個人事業主には個人事業税という税金もあり、事業所得が290万円を超えた分に対して課税されます。注意点は青色申告特別控除が適用されないこと。なんてこった。

※ 個人事業税が対象とする事業所得は所得税の課税所得のように、社会保険料等の各種控除はありません。

以上が年金を免除できない所得があるときの各種の税金の計算でした。

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