共通番号「マイナンバー」(社会保障・税番号制度)の導入が閣議決定!「マイナンバー」制のメリットや不安は?

金融

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今日(2012年2月14日)に野田内閣は、社会保障改革の一環として、国民一人一人に共通番号を付与する「マイナンバー」制度の導入を目指した「個人識別番号法案」を国会に提出することを閣議決定した模様です。その決定ではH26年6月に「マイナンバー」を私たち国民に交付し、半年後の翌年1月にスタートさせるとのこと。ではこの共通番号「マイナンバー」制で何が変わり、国民にはどんなメリットがあるのでしょうか?制度導入に対する国民の不安をどのように取り除くの?

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「マイナンバー」制

政府がこの「マイナンバー」制の導入で目指しているものは、いわゆる社会保障と税の一体改革です。国民一人一人の所得をできるだけ把握し、税金の不公正感や不透明性をなくすことが目的と同時に、年金関連の手続きの簡略化、個人にあった医療制度を受けやすくすることも目指しているようです。(YOMIURI

では、共通番号「マイナンバー」制度によって、国民がどのように恩恵を受けられるのでしょうか?以下は政府広報に基づくものです。

  • 役所への様々な申請手続きが容易になる。・・・
    たとえば、引っ越しするなら退出届や転入届をその都度必要になりますが、転出先の市役所で過去の情報を確認することができので手続きが簡単に済む。
  • 確定申告の簡略化・・・必要書類の添付が不要に
  • 一人ひとりの最適な社会保障の実現・・・
    一例として、介護保険の被保険者が引っ越しなどしても、異動前の要介護認定の状況把握を速やかにできので、手続き簡略化されたり診断費用の削減にもつながる。
  • 年金の保険料の支払記録や受給などの記録も簡単に確認できる
  • 健康記録も確認・・・
    過去の健康診断の情報や子どもの予防接種の履歴が確認可能。細やかな医療につながる。また医学上の研究データ収集が効率化して医療が進歩する。
  • 制度の未把握者にも周知の知らせが届く

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しかし多くの国民は「マイナンバー」という制度を通して、自分に番号がつくという極めて機械的な扱いに不安を覚える人も多いようです。それで政府は以下の問題と対策をすでに検討しているようです。

  • 個人情報の漏えい対策・・・
    個人情報にアクセス可能な人を制限し、かつ「いつ、だれが、何のために情報を閲覧しようとしたのか」を本人が確認できるシステムの導入も考えていいます。またいわゆる「なりすまし」を防ぐために、「マイナンバー」だけでなく複数の確認方法を導入する予定です。
  • 国家による国民の管理に不安・・・
    私は、戦前の国家総動員法などの悪法にもつながりかねないと不安を覚えるほどの(国民を管理可能に見える)「マイナンバー」制度です。その点で政府は「個人情報は各機関ごとに分散管理します」と、およそITを知らない人が述べそうな指針を打ち出しています。一応、独自性の高い第三者機関に監視してもらうようにするそうです。
  • 「マイナンバー」制度は国民一人一人の所得を把握することでは?・・・
    そうしなければ、「公平な社会保障を実現することができない」とい言っています。(その点では仕方ないでしょうね。)
  • PCが苦手な人が「マイポータル」を使えないのでは?・・・
    従来のマウスとキーボードでは無理でしょうね。図書館のようにタッチパネル型の端末が普及しなければなりませんが、政府も「簡単に操作」できる端末の設置を考えており、役所に行かなくても情報のチェックを可能にできるようにしたいとのこと。

はたして速やかに実現するのか?

確かにこの制度の導入には相当に費用と時間がかかるようです。私の友人に税務署に努めている人がいますが、個人の所得を把握することはサラリーマンはともかく、サービス業や農業に携わる自営業者は極めて困難と言っていました。ですから、国民一人一人に「マイナンバー」を付与するのは簡単かもしれませんが、それによって所得を完全に把握し、税と社会保障の改革のという目的が果たせるのかはかなりの難題だそうです。

そうであっても我々低所得者層にはぜひ実現してほしい制度が共通番号制度「マイナンバー制」ですね。

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