国民年金の全額免除40年で受給額はいくら?70歳まで「繰り下げ」で増やせます

節約

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私はまだ40代ですが、この年から老後に年金をもらえる話をするのは早すぎるかなと思われる人も多いかも。確かに安定した会社でサラリーマンとしてバリバリ働いている方は厚生年金があるのでいいですが、私は自営業の低所得者です。しかも、年金保険料の支払いはほとんどが全額免除です。(ある期間は半額や3分の2免除期間あり)。

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📅2022年01月31日(月曜日):2022年4月から繰り下げ受給の最高年齢が70歳から75歳に引き上げあれました。増額率は 【0.7%×繰り下げた月数】に変更ありません。一方繰り挙げた場合の減額率が【0.5%×繰り上げた月数】から、【0.4×繰り上げた月数】に変更されました。

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全額免除で基礎年金の受給額はいくらに?

ご存じのように老齢基礎年金は40年間加入して、65歳から支給してもらうと、年に満額です 約 78万円。

月々に換算すると、6万5,000円 になります。

※ 平成29年4月分 からの給付額は年間 779,300円(満額)です。以下計算を楽にするために、満額を約78万円としてしています。

しかし、全額免除を40年間続けると、いくらもらえるのでしょうか。以前は3分の1しかもらえませんでしたが、平成21年度以降は2分の1はもらえるようになりました。それに基づいて計算してみます。(追記:後日コメントでご指摘いただいた通り、以下の計算は平成21年以降から40年の話です。平成20年以前の分は3分の1の計算になります。)

冒頭で述べたように私は、自営業です。低所得者のためにほとんどの期間全額免除申請を行い、認められてきました。そして今後も(ちょっと暗い将来ですが)収入増は見込めません。

それで仮に20歳から60歳まで全期間40年を通して全額免除をしたとします。そうすると65歳での支給は満額780,000円の半額の390,000円です。月々に換算すると、毎月約3万2,500円の支給となります。(夫婦健在で65,000円の支給です)。

少なすぎますね。

増やす方法がないのでしょうか?

朗報です。追納など一切せずに増やす方法があるんです。それが年金支給の「繰り下げ」です。

以下に年金支給の「繰り上げ」と「繰り下げ」制度について考えてみましょう。

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年金支給の繰り上げ(前倒し)

まず、規定では65歳で受給できるのですが、前倒しで5年前からつまり60歳から年金を受給可能です。これを「繰り上げ」と言います。

でも受給の「繰り上げ」にはデメリットがあります。

前倒しした月数×0.5%分だけ減額支給されるのです。

しかしメリットもあります。早めに退職したために生活に困窮している方です。また私のように自分は長生きしないように思える方も、早めにもらっておけるのもメリットかもしれません。

たとえば40年間きっちり国民年金保険料を払い込んできた方はは満額 約 78万円もらえますが5年前倒しつまり繰り下げして60歳からもらうと、5年×12月×0.5%×75万円 = 22万5千円 が減額されます。つまり年額 55万5千円しかもらえません。月額にすると4万6千円です。苦しいですね。

では40年全額免除し、60歳から前倒し支給つまり「繰り上げ」してもらうとどうでしょうか?

78万円の半額がもらえるとして39万円

減額分は 5年×12月×0.5%×39万円 =11万7千円 となり、支給額は年間27万3,000円です。月額にすると、2万2,750円/月 です。雀の涙です。

繰り下げ(先延ばし)

一方、「繰り上げ」とは逆に5年間の「繰り下げ」(先延ばし)支給も可能です。つまり70歳まで繰り下げ可能というわけ。

年金受給「繰り下げ」のデメリットは、支給されるまで食いつなぎの貯蓄や収入を確保しなければならない点です。

「繰り下げ」のデメリットは上乗せ支給されることです。月数×0.7%分上乗せされて支給されます。12ヵ月(1年)で、8.4%となります。年利8.4をノーリスクで運用できる金融商品などありませんね。

自分は長生きできると、考えていらっしゃる方にはおすすめです。でも70歳まで働くのはきついので、貯蓄が必要になってきます。

70歳まで繰り下げすると

さて、私は石橋を叩いて渡る性格です。ですから、できるだけ健康的に自営業を続けて、年金支給を先延ばしにし、働けなくなった時に少しでも楽になれるようにしたいと思っています。つまり「繰り下げ」を行って月々の年金支給額を増やしたいのです。

では、最大で5年間(60か月)先延ばしにすると、年金の支給額は月々どれほどになるのでしょうか?ひと月ごとに0.7%加算されるという計算ですから、60カ月で、42%の上乗せになります。つまり

40年間 年金保険料を全額免除した場合、70歳(5年間先延ばし)まで繰り下げて支給を受けると、

  • 年額:78万円 ×1/2 ×(100+42)% =55万3,800 円
  • 月々:55万3,800 円  ÷ 12 = 46,150 円

夫婦二人健在で 月々約 9万2,300 円

となります。

一方、私が前倒し受給を受けたらどうなるでしょうか?すでに述べた通り

  • 年額:27万3,000円
  • 月々:2万2,750円

夫婦二人で 月々約 45,500 円 となります。もちろんこれだけでは生活できません。

となります。

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トータルでお得なコースは?

40年間、年金の保険料を全額免除した場合、基礎年金支給は以下の通りです。

  • 60歳からの支給開始(繰り上げ)・・・月々 2万2,750 円
  • 65歳からの支給開始(通常)・・・月々 3万2,500 円
  • 70歳からの支給開始(繰り下げ)・・・月々 4万6,150 

それでは40年もの間、国民年金保険料の全額免除し、その後支給を受ける上記の3コースの中で、寿命という観点から一番お得なコースはどれでしょうか?

結論からですが、年金支給の「繰り下げ」が断然得のようです。60歳で繰り上げ支給と70歳繰り下げ支給では、総額支給が79歳で同じになります。82歳の平均寿命ですから断然繰り下げがいいみたいですね。

ですから安心なのは、70歳まで「繰り下げ」し、月々 4万6,150 円をもらえる自助努力が必要です。夫婦2人なら約 9万2,300 円なります。

20101120202846

以上自営業の私が今の経済状況を維持しながら生活してゆく場合、年金の受給額がいくらになるかという話でした。

保険料を全額免除する一方で、受給額を最大限増やしたいなら、70歳まで支給を先延せばいいわけです。でも、その場合に必要なことは、60歳からの10年間は健康を保ちつつ働き続け、何とか食いつないでいくことです。

ちなみに、65歳で年金支給を受けないだけでは、自動的に「繰り下げ」対象にはなりません。必ず申請しなければ、繰り下げしたことになりませんので、注意が必要です。

コメント

  1. […] 参考までに、国民年金の全額免除で40年間で年金はどれほどもらえるの をご覧ください。 […]

  2. とめ より:

    >平成21年度以降は2分の1はもらえるようになりました。
    >それに基づいて計算してみます。

    それに基づいて計算するのは個人の自由ですが、
    何故それに基づいて計算したいのか、その動機が明らかではないですね。

    >全期間40年通して、全額免除をしたとします。
    >そうすると65歳での支給は満額79万2100円の半額の396,050円です。

    仮に半分もらえるとして計算するとそうなるのでしょうが、意味の無い仮定の話しだと思います。
    今日、市役所の国民年金課に行って訊いてきました。
    平成20年度以前の全額免除分は、1/3として計算され、
    21年度以降の分は1/2として計算されるそうです。

    従って貴兄の計算は、平成21年度以降だけで40年間の全額免除を受けた場合の話しでしょう。