これから発売される Windows 10 搭載のパソコンを家族と安全に使い分けたいとう方も多いはず。特に子供には安全にパソコンを使って欲しいものです。そのためにはアカウントの権限や種類およびそれに合わせたアカウントの登録方法をきちんと理解しておきたいです。学齢期にあるお子さんなどにパソコンを使わせたい時にはしっかり制限しておきましょう。以下にその点をまとめてみます。
Windows 10 パソコンを家族で共有する
Windows 10 をインストールして早10日以上が経過しております。一部フリーソフトが使い物にならないとか、なぜか起動が10秒近く遅くなったとか、スリープの解除でパスワードを求められるようになったなど、わずかの不具合を除いてほぼ快適に利用しております。
参照使ってみた Windows 10 メリット・デメリットや不具合を述べます | Webと人のアマモ場
そんな中、私の嫁さんが私のノートPCを使わせてくれと懇願してきました。
「自分(嫁)はタブレットを持っているのに!」と思いましたが、パソコンでしかできないことも多いのは確かです。「仕方ないな!」
そこで今日は久しぶりに、つまり Windows XP 以来ですが、パソコンを家族で使い分けるためのアカウントを登録してみました。新しく Windows 10 搭載パソコンを使って子どもや配偶者と安全に共有したい方のためにも書いてみたいと思います。とくに子供との共有は気を使いたいですね。出会い系やいかがわしいWebサイトへのアクセス制限は必須です。
その前に、Microsoftオンラインサービスを利用することを前提としてWindows8から導入されたアカウントの種類を復習しましょう。
アカウントは2種類ある
Windows 10 にログイン(ログオン)するユーザーアカウントは2種類あります。それは該当するパソコン内だけで有効のローカルアカウントと、どのパソコンでも有効でMicrosoftオンラインサービス利用を前提としたMicrosoftアカウントです。
それぞれ以下に説明します。
ローカルアカウントとは?
まずローカルアカウントですが、これはWindows 7まで一般的だったユーザーアカウントのことです。PCごとにユーザー名とパスワードで登録しますので、PCの個人設定に反映されますが、仮に他のパソコンに同じユーザー名とパスワードを登録しても同期されたりすることは一切ありません。あくまでもパソコンごとの設定です。
ローカルアカウントを登録するとユーザー専用のデスクトップ、ドキュメント、ピクチャ、ビデオ、ミュージックなどの個人用スペースが作成され、エクスプローラの「クイックアクセス」(Win8までの「お気に入り」のこと)に反映されます。
しかし、別の種類のアカウントであるMicrosoftアカウント(後述)でログインした場合のように、Microsoftのオンラインサービス、たとえばMicrosoftのカレンダー、メール、連絡先、フォトにアクセスできず、Windows ストアのアプリやゲームのダウンロードはできません。
ローカルアカウントでどうしてもMicrosoftのオンラインサービスを利用したい場合は、サービスごとに個別にログインするしかありません。
それがいやなら以下に示すも一つのアカウントの種類であるMicrosoftアカウントを取得し、それでパソコンにログインする必要があります。
なお、Windows 10 パソコンを家族で安全に共有するために、ユーザーごとに以下の Microsoftアカウントの作成が推奨されています。Webサイト閲覧制限やパソコンの利用時間制限を利用できる保護機能が使えるからです。
Microsoftアカウントとは?
Windows 8 から半強制的に利用させられているのがもう一つのアカウントであるMicrosoftアカウント。これは電子メールアドレスで事前にまたは、Windows 10 の初回サインイン時に作成されます。
メリット
MicrosoftアカウントでWindows 10にログインしておけば、主にWindows アプリを介して利用できるMicrosoftの様々なオンラインサービス、例えばメール、カレンダー、フォト、OneDrive、Skype を個別にログインせずに利用できます。
つまりブラウザや各アプリを起動してそれぞれのMicrosoftのサービスにログインする必要はないのです。当然ですが、ローカルアカウントのようにPC内のユーザー領域に保存されたデータにオフラインでアクセスできます。
さらに、MicrosoftアカウントではWindowsストアをシームレスに利用可能です。Windowsストアアプリのダウンロードだけでなく、他のPCで利用中のデータ、テーマ、ブラウザのお気に入りまで同期可能です。
アカウントの追加
以上のように Windows 10 にログインするアカウントが2種類あることが分かりましたが、我が家族ではどちらのアカウントを利用するのが適当なのでしょいうか?
嫁さんはWordで文書を作成・印刷したり、ネットでお買い物を楽しむためのブラウジング程度しか利用しないとのこと。メールや写真の整理・保存は iPad/iPhone でしかやらないそうです。もちろんWindowsゲームもしません。
ですから嫁さんはMicrosoftアカウントは不要、ローカルアカウントで十分みたいです。
というわけでまず、ローカルアカウントを例に、Widows 10 ユーザーを登録してみます。
新しくなった「スタート」から「設定」>「アカウント」>「家族とその他のユーザー」へ。次に2つの選択肢、つまり「家族」か「他のユーザー」のいずれかを選びます。
しかし、「ここで嫁さんは家族だから」といって、「家族のメンバーを追加」を選択すると、どうしてもローカルアカウントを登録できません。
保護機能などを利用できる「家族のメンバーを追加」では、「子供」「保護者」のいずれかを選択でき、Microsoftアカウントを持っているならそれで登録できます。しかし持っていないならメールアドレス作成が行われ Microsoftアカウントの作成が促されてしまい、ローカルアカウント作成ができないのです。
Microsoftアカウントを利用せずに、従来のローカルアカウントを追加したい場合は「その他のユーザー」を選択する必要があります。
「その他のユーザーをこのPCに追加」を選択すると、最下部に表示されている「追加するユーザーがメールアドレスを持っていません」をクリック。
さらに次の画面では、再度Microsoft「アカウント」作成の案内が表示されますが、あきらめずに最下部の「Microsoftアカウントを持たないユーザーを追加する」をクリックします。
「このPC用のアカウントの作成」から、ユーザー名とパスワードを登録します。
作成後に「アカウント」に戻ると「他のユーザー」項目に「ローカルアカウント」が追加されていることが分かります。めでたし。
子供に安全にパソコンを使わせるためのアカウント設定
子供を登録する場合、年齢に応じた制限を設定して安全にWindows 10 パソコンを利用させたいものです。そのたに、上記のローカルアカウントではなくMicrosoftアカウントを利用します。
左下の「スタート」>「設定」>「アカウント」の「家族のメンバーを追加」から「子供」を選択。
すでに子供用のメールアドレスを持っていることを前提で進めます。名前とMicrosoftアカウント用のメールアドレス、さらに英数を混ぜ合わせた8桁以上のパスワードを記入します。
メールアドレスに送られてきたMicrosoftアカウントサービスへログインして確認しましょう。
次に、子供用のアカウントにブラウザからログインします。
ログインすると表れる「Microsoftアカウントに詳細を追加」をクリック。
右上の「アカウント名」>「アカウントを表示」>「個人情報を編集」へ。生年月日を記入します。
ここで生年月日を記入することで、年齢制限のあるWebサイトを遮断したり、年齢制限アプリのダウンロード/利用の制限ができるようになります。
Windows 10 のアカウント設定に戻ると、以下のように一時的にアカウントを無効(ブロック)してパソコンの利用をブロックできます。
さて次に子供の利用制限を設定するために、管理者のMicrosoftアカウントに上記のアカウントが自分の子供であることをMicrosoftに認識させる必要があります。
そのために、ブラウザで管理者(親)のMicrosoftアカウントにログインし、「ファミリー」タブから、子供のメールアドレスを登録して、招待状を送ります。
送られてたメールアドレスからファミリーであることを承認してあげます。その場合、ブラウザで子供のメールアドレスでMicrosoftアカウントにログインする必要があります。
再び親のMicrosoftアカウントにログインし直して「ファミリー」をクリックすると、子供がWindows 10 のパソコンを安全に利用するための制限を行えるようになります。
「Webの閲覧」、「アプリとゲーム」、「使用時間」などを制限できます。たとえば、「Webの閲覧」から、年齢に応じた不適切なサイトを自動でブロックできますし、特定のサイトのURLを登録し遮断することもできます。
「使用時間」からは、曜日ごとにログインする時間帯も設定できます。子供の怒りを買いそうですが、仕方ありません。子供を守るためです。
許可された時間外でアクセスすると、以下のように「時間切れ」の案内が表示されます。子供の気持ちを想像するに難くありません。
以上のように、Microsoftアカウントを利用するなら、家族とWindows10パソコンを安全に共有できそうですね。
Windows 10 でユーザーを切り替える
最後にユーザーの切り替え方法です。すでに起動中の場合は以下のように切り替えます。
新しくなった「スタート」から左上のユーザーをクリックして、別のユーザー名を選択するだけ。当然を求められます。ローカルユーザーでも Windows 10 にログオンできます。
アカウントの変更
この際アカウントの変更手順も覚えたいものです。たとえばアカウント名、パスワード、アカウントの種類(標準/管理者)の変更、アカウントの削除を行いたい場合は、「コントロール パネル」>「ユーザー アカウント」 > 「ユーザー アカウント」 > 「アカウントの管理 」 で行えます。
自動ログインできるユーザーを設定
最後に、必須の設定です。起動時に面倒なパスワード入力を回避する設定です。通常利用するユーザーはパソコン起動時にパスワード入力を求められないようにすることができます。
※ 家族で共有するときはこの設定をお勧めしませんが・・・。
「Win」と「X」を同時に押して、メニューから「ファイル名を指定し実行」をクリックし、「netplwiz」と入力し「OK」をクリック。
「ユーザー」タグの「ユーザーがこのコンピューターを使う時には、ユーザー名とパスワードが必要」のチェックを外し、自動ログインできるユーザーを選択します。
最後にパスワードを2回入力。
これでOKです。
自動ログインするユーザーを変更したい場合、上記の作業をもう一度行います。つまり最後にこの作業を行ったユーザーが優先的にパスワードなしで自動ログインできるようになっています。
以上Windows 10 に家族のローカルアカウントやMicrosoftアカウントを追加する方法でした。子供は是非ともMicrosoftアカウントにしましょう。
嫁さんとの共同利用はつらいものがあります。(←普通しないだろう!パソコン買えよ!)
コメント
web正殿ですが、windows8.1ならばブラウザの種類に関係なくブロックできたと記憶していますが、windows10ではInternet exploreとedge以外のブラウザはブロックしないとの記載があるようです。chromeを入れていたら、全く制限できないということでしょうか。
最近までVISTAユーザで、アカウントの考え方について混乱しておりましたが、貴殿の体系だった解説のお陰で、まさに霧が晴れるように理解できました。