大人の喘息とは?この検査とアドエアとレルベア治療で見事完治!

健康

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かれこれ10年前の話になりますが、私は大人になって喘息にかかり、呼吸困難で死にそうになった経験があります。その経験をするまで、長年 咳に悩まされながら自分が大人の喘息にかかっていることを知らなかったのです。しかし今では咳や息苦しさなどの喘息の症状が出ておらず普通に生活しています

近年、私のように大人になって喘息を発症している人が増加傾向にあるそうです。大気汚染物質のPM増加が原因でしょうか?

では、私は大人になってどのように喘息にかかってしまったのでしょか?現在どんな治療を継続しているのか?(アドエア、レルベアです。)副作用はあるのでしょか?(ゼロに等しい。)大人になって喘息にかかり悩んでいる方に私の経験が役に立ったら幸いです。「咳喘息」に対しても私の受けている治療は極めて有効であることが分かっています。

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ある時突然、息ができなくなった

11年近く前のあの日ほど死を覚悟した時はなかったと思います。帰宅の途中で突然息ができなくなり、目の前が真っ暗になり始めたのです。

一体何が起きたのか?

横になったらさらに呼吸が苦しくなるので座ったまま落ち着くのを待ち、すぐに嫁に車で病院に連れて行ってもらいました。

点滴を初めてようやく呼吸が落ち着きましたが、酸素濃度は90%近くになっていたとのこと。目の前が真っ暗になっていた時はそれを大きく下回っていたと考えられます。どうやら本当に死が迫っていたようです。

アスピリン喘息

医師から思い当たる原因を尋ねられました。その時、思い返してみると、頭痛のために鎮痛剤を服用するたびに、息苦しく咳が頻発していました。私は頭痛持ちで、10年以上バファリンやケロリン漬けになっていたのです。

当日は発作の1時間前に医師から処方されていた強力な頭痛薬(恐らくポンタレン)を飲んでおり、頭痛は収まりましたが息苦しさを感じ、咳が止まらなかったのです。

それを伝えると、医師から「アスピリン喘息かもしれません。」という返答がかえってきました。(実際は非ピリン系の頭痛薬でもアスピリン喘息ということがある。)

その日は気管支拡張剤を処方してもらい、真夜中に帰宅。速攻でネットで調べるとアスピリン喘息の恐ろしさが分かりました。長年、解熱鎮痛剤剤(頭痛薬)を服用してきたために、こんなことになってしまったと思い込んでしまった!その時はそう思いこんだのです。(数年後 別の原因が発覚!後述します。)

大人の喘息の発作時に治療するための気管支拡張剤 メプチンエアー

それからは頭痛薬さらには解熱鎮痛剤が必ず混入している総合感冒薬(風邪薬)を一切飲むことができなくなりました。頭痛がひどい時や風邪やインフルエンザで高熱が出ている時でさえ、何も薬は処方してもらえなくなったのです。きつ過ぎますが、喘息発作で呼吸不全に陥るよりはましです。

咳喘息と喘息の違いとは?

年々増加傾向にあるといわれている咳喘息。病名に喘息が付くからといって、慢性的な気管支喘息ではありません。気管支から「ヒューヒュー」という喘鳴がしたり、喘息の私のように呼吸困難という一般的な症状はないからです。

咳喘息の原因は気管支喘息の原因と同じくハウスダストや周囲からの受動喫煙、お酒、ストレスなど様々です。放置すると本格的な喘息に移行する場合があるようです。

咳喘息は比較的 女性に多く、症状つまり咳が8週間以上続くそうです。私の友人のお嫁さんもこの症状で呼吸器内科で診てもらったら、咳喘息と診断され、喘息の私と同様にアドエア(以下参照)で治療中です。

数年間は気管支拡張剤だけでやり過ごす

それから数年間は何とかやり過ごしてきました。でも夜休む前に咳がひどく息苦しくなることが頻発、その度に気管支拡張剤(メプチンエアー)を吸引しなければならないことが多くなったり、温かい食事(ラーメン、うどん、汁物)を口にし始める時に限って咳込むなど、異常な症状が出ていたのです。今思えばそれって典型的な大人の喘息の症状だったのですね。

しかし後で分かったことですが、この数年間に気管支拡張剤だけでやり過ごしたことが間違っていたようです。気管支拡張剤は対処療法つまりその場の一時しのぎ。それ一本に頼ることで喘息が悪化し、気管支の炎症が慢性化していたのです。これが大人の喘息の怖さなのです。

しかし、夜咳こむことが続き睡眠障害に陥ってしまいました。その頃は重労働をしていたので毎日が非常にしんどく、常に疲れていました。もう無理です。

定期的に気管支拡張剤を処方してもらっていた内科医の勧めで、ついに呼吸器科の専門医に診てもらことになりました。

これが大人の喘息による症状からの解放をもたらすきっかけになったのです。

「先生!専門医の受診を勧めてくれてありがとう。」

気管支喘息の検査とは

呼吸器科の専門医にこれまでのいきさつを説明すると、徹底的な検査を勧められました。以下のような検査を受けることになったわけです。

レントゲン検査

「気管支喘息かどうかを調べるためにレントゲン検査なんか必要あるの?肺炎でもあるまいし!」と思いましが、医師としては喘息であるとの確証を得るためには、他の病気の可能性を排除する必要があります。そのための検査だったようです。

CTスキャン

これもレントゲン検査の一種です。気管支を輪切り状に写し出してくれます。気管支の壁がどれほど厚くなっているか、つまり炎症で肥大してしまっているかを知る上でとても重要な検査です。

呼吸器検査

これが結構きつかったですね。深呼吸して空気をどれほど吐き出せるかを調べる「肺活量検査」や、どれほど勢い良く吐き出せるかを調べる「ピークフロー検査」などです。

大人の喘息の症状を知るためのピークフロー検査

「肺活量検査」は今でも毎年行っていますが、これに気合いを入れすぎると、肺の痛みが数週間続きます。でも気合を入れないと、肺の状態が分からないのでやるしかないのです。

血液検査と痰検査

これはアレルギー反応を見るためです。花粉症ならスギ花粉に反応しますし、ハウスダストならダニの死骸に反応します。つまり気管支喘息がアレルギー性のものか、それとも非アレルギー性かを診断し、アレルギー性のものであれば、そのアレルゲン(抗原)を突き止めることが可能になります。(私はこれに陽性反応が出たわけです。後述します。)

ハウスダストによる喘息と診断

検査の結果はどうだったのでしょか?

担当医によると、私はハウスダストやダニによるアレルギー性の気管支喘息つまり正真正銘の大人の喘息になっていたのです。

それを聞き私は愕然としました。アレルギー性の喘息はてっきり子供がかかる病気と思っていましたが、大人にも発症するのです。しかも大人の喘息はひどいことに死亡率が高いそうです。年間数千人が死亡しているのです。

診断の根拠は以下のとおり。

  1. 血液検査・・・ダニやハスダストに高い反応。
  2. CTスキャン・・・気管支の壁が正常な人のものより分厚くなっている。つまり炎症で腫れている状態。
  3. 呼吸器検査・・・肺機能が低下。当時、私の年齢と身長からするとピークフローは正常値で600L/minあるべきものが450L/minに大幅に低下していた。
  4. 問診(症状)・・・酸性系の解熱鎮痛剤(頭痛薬)で発作が出る、夜咳こむ、痰がでる。息苦しさや胸の重たさを感じる。

てっきり診断はアスピリン喘息と宣告されると思いきや、ハウスダストによる大人の気管支喘息だったのです。アレルギー性鼻炎と同じ原因だったようです。

アトピー型と非アトピー型

喘息の原因は大きく分けてアトピー型と非アトピー型に分類されるようです。

小児喘息に多いアトピー型は、ハウスダスト(ほこりやダニの死骸など)、花粉、特定の食物などのアレルゲンが判明している場合です。血液検査によって抗体が検出されます。自己免疫の異常反応です。

一方、大人の喘息患者に多い非アトピー型は、アレルゲンが判明していないものです。気温の変化、喫煙、疲労、ストレス、ウィルス感染が引き金となっていると言われています。

さらに喘息の程度について担当医に聞いてみると、「気管支の炎症のため、気道にかなりの狭窄が見られるます。このまま治療しないなら、炎症が蔓延化し気道の狭窄が元に戻らない可能性があります。」とのこと。

さらに愕然としました。大人の喘息はこの慢性化が怖いようです。かりに喘息が鎮火したとしても息苦しさがじいちゃんになっても残るなんて地獄です。是非今のうちにこの気管支喘息を治療したいです、と申し出たのです。

小児喘息との違い

日本の子供の1割近くが小児喘息を患うと言われています。しかし12歳ごろまでには症状が見られなくなるそうです。

一方大人になって発症する喘息は、ほとんど自然治癒することはありません。これが大人になってかかる喘息になる怖さです。

 

治療法 - 長期の継続がカギ

大人の喘息の治療法とはどのようなもでしょうか?

担当医によると、ここ数年(2009年当時)は喘息の治療法が確立されてきており、吸入ステロイドによる長期管理薬で継続的に治療を行えば気管支の状態はほぼ正常な状態に戻るとのこと。

アドエア

そのためには、毎日朝晩に欠かさずに「アドエア(500)ディスカス」という吸入ステロイド薬を利用するのが現在のスタンダードな治療法で、気管支の状態は根治可能だそうです。

喘息の治療薬 「アドエア(500/250)ディスカス」

副作用

でもこれってステロイド入りですよね。副作用はないのでしょか?

確かに喉のイガイガ、声枯れなどの副作用が見られる場合がありますが、毎回の吸入後に喉のうがいをすれば大丈夫です。ステロイドといっても全身に投与するわけではないので、副作用で全身に影響がでるようなことは全くありません、とのこと。

カギは継続

ではどれほどの期間、継続的に治療しなければならないのでしょか?

症状は数週間で改善しますが、大人の喘息は根治が難しく、治療は長期にわたって継続する必要がありますとのこと。しかし治療を継続してゆけば発作はほとんどなくなります、とのこと。

じゃあ途中で治療をやめると喘息はどうなるでしょか?

ある程度治療すると症状が一時的に収まります。でもそこで油断して治療を中断すると、また再発します。これを繰り返すたびに気道の炎症がひどくなり、治療しても気管支の内壁の腫れが元に戻らなくなる可能性があるのです。これが大人の喘息で治療を中断することの恐ろしさなのです。

 実は今、私の友人の中で、大人になって喘息に罹患し、治療してはやめての繰り返しのスパイラルに陥っている方が3名います。一人は椅子に座ったまま寝る日々が続くこともあるとのこと。あれほど「継続治療したほうがいいよと!」私の経験から教えているのに!

つまり大人の喘息は治療を長期(ほぼ一生)にわたって続ける必要があるのです。

でも当時これを聞いて愕然としました。

しかし考えてみると、喘息発作で毎年数千人も死亡していることを考えれば、また自分も死にかけたことを考えれば、朝晩の吸入を1回ずつ行うのはそれほどの問題ではないと思い、この治療を継続的に受けることを決意したのです。

では気管支拡張剤(メプチンエアーを利用していた)は必要ないのでしょうか?

気管支拡張剤は念のため処方されましたが、「アドエア(500)ディスカス」でも即効性のある成分が入っているのでOKとのこと。しかし発作が起きた時はためらわずに気管支拡張剤を利用してくださいとのことでした。

2016/12/22 追記:現在は治療薬を1日一回の吸引で24時間持続するレルベアに変更し快調が続いています。治療費も数百円下がりました。詳細は  喘息の吸入薬を「レルベア」に変更!副作用なく経過は絶好調 をご覧ください。

治療費

次に気になる治療費はどれくら掛かるのでしょうか?

長期にわたって処方される「アドエア500(または250)ディスカス」は約2500円(3割負担)とのこと。

診察代と合わせて1日約100円の計算になります。

※ 数か月後には3か月分一度にもらい、医療費は9000円弱になっています。確かに初診料も含めて1日あたり100円の治療費を自己負担している計算です。

当時は最初だけ錠剤もあったと記憶しておりますが、2週間程度で終わった記憶があります。

このようにして、大人の喘息の長期にわたる治療が始まったのでした。

症状の改善と息苦しさからの解放

治療が始まって数日経つと、喘息の息苦しくさ、咳、痰、胸の重さはほぼゼロになりました。そうです、快適な生活が始まったのです。こんなにすぐに症状が改善するとは全く予想していませんでした。一度は咳と息苦しさで市にかけたのに。

しかし数か月後に喉に違和感を覚えるようになったのです。そうです、おそらくステロイドの副作用です。

それで数か月後の診察で、喉枯れを伝えると、先生は「アドエア500ディスカス」から、成分量が少ない「アドエア250ディスカス」に変更してくださいました。いかし発作が再発したり、胸が締め付けされるような症状が出たら、「アドエア500ディスカス」を使ってくださいとのこと。

しかしながら、成分量が少ない「アドエア250ディスカス」でも発作は全く表れず、おまけに副作用の喉枯れもなくなりました。

数か月後にピークフローは400L/min台からも一気に500L/min台となり、劇的な症状の改善が見られました。つまり気道の炎症が治まって来たわけです。

治療を 5年 継続した結果

以上のような治療を継続して5年経過した今、私の大人の喘息はどうなっているのでしょか?

先生の見込み通り、治療開始後 5年間 喘息発作は一度も表れていません。咳で夜目が覚めたり、寝不足になったりしたことは一度もありません。(他の理由で寝不足になることはしばしば。)

喘息による息苦しさもゼロです。またったく問題ありません。ピークフローは560L/min前後をキープしております。

最も良かったことは、喘息で呼吸困難に陥り死んでしまうのではないかという恐怖から解放されているということです。

しかし継続中の問題もあります。

それは大人の喘息に付き物のアスピリン喘息に対する恐怖です。バファリン、イブ、ポンタール等の頭痛薬(解熱鎮痛剤)、風邪薬は絶対に飲めないし、内科でも処方してくれません。

ですから、風邪やインフルエンザにかかったらきつくてたまりません。完全自然治癒しかないのです。確かに病院に行けば、漢方薬が処方されますが、一向に効き目がありません。

一番の恐怖はインフルエンザです。それで毎年予防接種を受けています。それでも去年は季節外れのインフルエンザにかかり38度以上の熱に4日間耐える必要がありました。地獄でした。

以上、私が経験した大人の喘息の恐怖と、長期的な治療によって咳や呼吸困難などの喘息症状から解放された話でした。

アドエアによる長期的な治療によって咳や呼吸困難などの喘息症状から解放された私。

息が出来るって素晴らしいですね。

そう言えば、スピードスケート選手でオリンピック金メダリストの清水宏保さんも、私と同じ治療法で喘息を完全コントロールしてきたそうです。

2016/12/22 追記:現在は治療薬を1日一回の吸引で24時間持続するレルベアに変更し快調が続いています。治療費も数百円下がりました。詳細は  喘息の吸入薬を「レルベア」に変更!副作用なく経過は絶好調 をご覧ください。

治療を継続したくない方へのアドバイス

それにしても私の周りには、喘息で苦しんで大人の患者が家族を含めて10名はいます。現在私が行っている治療を参考にして病院に通っている方は1,2名です。それ以外は、喘息の症状と戦いながらどうにかやっています。年ごとに悪くなっている感じがしまが、ご本人たちは気管支の壁が肥大し続けている可能性があることを分かっていないのでしょうね。

継続的に治療を受けるのに抵抗があるというか、面倒なのか?毎月3000円程度の治療費がもったいないのか?それとも未だにステロイドを吸引するという治療そのもに抵抗があるのか分かりません。もったいない話です。

咳喘息でお悩みの方でも上記の治療は有効で、一般化しております。単なる咳止めや抗生物質では効かないことがほとんどですから。

最近の大人の喘息の経過

2016年12月22日

治療薬を 吸入薬「レルベア」に変更 して数か月が経過しましたが、絶好調です。喘息症状は一切出ていません。

今日は1年ぶりの呼吸器 検査しました。

結果は、一酸化炭窒素(NO)は12ppbで気管支の炎症はさほどないと診断されました。ピークフローも 560 L/min で正常でした。

しかしながら以下の呼吸器装置で測定すると、空気を吐き出す力が抵抗があるとのこと。

したがって、治療は継続する必要があることは間違いないと診断されました。残念ですが予想通りです。

2015年11月5日

3か月ぶりの診察です。ピークフローは560L/minと好調です。現在の年齢と身長からして590L/minが平均ですから、正常値に近い値をキープしております。治療を開始して6年ほど経ちますが、全く喘息の症状は出ていません。

今日は病院は患者がやけに多いと思ったら、インフルエンザの予防接種でご年配者が多数来院しているとのこと。ついでの自分も予防接種を受けました。3700円です。アスピリン喘息なので、風邪薬や熱さまし(解熱鎮痛剤剤)を一切飲むことができないのでインフルエンザ予防接種は必須です。とはいっても、インフルエンザにかかる時はかかるのですが・・・。

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